God Dwells in Small Things

タミヤのシムカでトポリーノを作る-14

今回のFIAT500を作るにあたって「気が進まないな、ヤダな」とネックになっていたブレーキドラムの製作。まずは旋盤で直径8mmの真鍮棒を6mmまで削り、エッジの段差を薄く残してから外周部の角を丸めます。
突っ切りバイトで切り離したパーツを真鍮ブロックの上に瞬間接着剤で貼り付け、フライス盤でボルトの差し込み穴を開けました。穴と穴の間隔は約2mmで、前後左右に刃物を正確に移動できるのは機械工作ならではですね。
購入した当時は何に使うのかすら分からなかった、アドラーズネスト製のスタッドボルト。こうして陽の目を見る時が来ようとは…。
実際に車体に当ててみると直径0.6mmでは太すぎたので、ワンサイズ細いものに変えて黒瞬着で固定。ブレーキドラム本体はアオバの黒染め液で茶色っぽく染めています。
ワイパーのブレードは0.8mmの洋白帯金で、その上辺に0.3mmの角線を重ねて半田付けしたもの。アーム部分は1/43のエッチングパーツにピボット軸を半田付けして、最後に練りゴムの上に2つ並べて位置関係を調整し、半田で「ジュっ!」と合体させました。
サーフェイサーを4-5回ほど重ね吹きして厚みを増してやると、太からず細からず、1/35スケールの模型に馴染んでくれるようになります。
ドアノブは0.5mm幅の帯金で、取り付け用の洋白線を半田付けしてからボディの凹みに合わせて曲げ、サンドペーパーで削って幅を調整。最後にゴム砥石でエッジを落とし、ピカピカに磨いて仕上げました。ボンネットのキャッチピンもヨンサン用のエッチングパーツを使いましたが、そのままだと取って付けた感が有り有りなので、ハンダを盛って太らせたり、エッジを削って丸めたりして味付けしています。

このような細かい作業で頼りになるのが、先が薄くて平べったいピンセット。ぐっと握り込んでも力が分散してパーツが飛びにくくなるので、僕はデカール以外の作業でもけっこう頻繁に使っています。
サイドウインドウはスライド式で、キットは開いた状態と閉じた状態が選択可能。透明のプラはその硬さゆえにニッパーでカットするとヒビが入りやすいので、ゲートの出っぱりは若干残すようにして、最後はデザインナイフで削ぐ感じで仕上げるといいです。
整形したパーツをボディに当てがってみると、透明度はバッチリですが、厚みと歪みがどうにも気になったので、薄いアニメセルで作り直すことにしました。
窓の開口部にぴったりと入る大きさの型紙をプラ板で作り、それを基に極薄のアニメセルかアクリル板を切り出し、実車同様に前後2枚の構成にする予定です。

1/43のメタル・レジンキットを中心に、模型製作のテクニックをわかりやすく紹介しています。
Welcome to my site! The focus here is representing 1/43 hand-built model cars.
Return Top