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レトロなII号戦車製作記 – 排気グリルを自作

タミヤのII号F型を作る上で、今回の排気グリルの工作はかなり面倒だと感じていましたが、「これを乗り越えないと完成は見えないなぁ」と覚悟を決め、工程を細かく切り分けてステップを刻む感じで作ってみました。
まずは不要なモールドの除去。パーツの表裏からニッパーの刃を入れ、パチパチと切り取っていきます。
開口部の2辺には溶接跡があるので、ヒートペンを使って凹凸をモールド。残りの2辺は周囲に比べて若干低くなっているので、肉厚のほうも調整しながら少しずつ削りました。
さて、グリル自作の第1ステップは外枠です。材料は0.2mm厚の洋白帯金で、内側に谷折りするための溝を三角ヤスリで刻み、プライヤーで曲げて長方形を作ります。
最初に作ったものは寸法の読み間違いで開口部に入らず、2回目も少し大きめでしたが、開口部を削って拡げて対応しました。細かい調整が済んだら、谷折りの部分にフラックスを塗り、半田を流してガチッと固めます。
第2ステップは枠内を縦に走るバーを切り揃える作業。金属用ニッパーで長めに切った帯金の断面にダイヤモンドディスクを当て、バリを取りつつ枠内にスッと収まるように調整します。バーの間隔を一定に保つ役割のプラ角棒については、長さはぴったりでなくランダムでOKです。
第3ステップでは揃えた材料を瞬間接着剤で仮止めします。この後に糸鋸で交差用の溝を切るので、作業中にバラバラにならないように接着剤を隅々まで流し(ただし外枠の部分は除く)、硬化を待ちました。1日ほど間を置いてから外枠を取り外し、第4ステップの溝切り。糸鋸で8/0という最も細かい刃を使い、帯金の幅の半分くらいまで切り込みを入れました。
そして最難関の第5ステップ、真横に走らせるバーに等間隔で切れ目を入れていきます。最初の1本目はディスクの刃がブレてV字になってしまって使えず…。でもそこに新しい帯金を重ねて半田付けし、最初の切れ目を追うように刃を進めたところ、良さげなものが出来ました。
第6ステップは外枠と縦のバー8本の半田付け。それぞれの隙間にしっかり半田を流してから、アセトンに浸して間隔保持用のプラ棒を溶かします。完全に溶解させてしまうと大変なので、10分ほど漬けて柔らかくなった頃合いで除去するのがおすすめです。
横方向のバーを組む前に、多少ガタついている接合部を整えて平らにします。普通の鉄ヤスリだと目が引っかかって思うように削れず、サンドペーパーだとエッジを綺麗に出しにくいので、ここでもDTファイルが大活躍!グリルの奥の内部構造については、アハトゥンクパンツァーの著者でモデラーでもある尾藤氏のサイトを参考に、プラ板工作でそれらしくやっつけました。
仮組みするとちらっと見える導風板がリアルです。グリルの仕上がりは、寸法が縦横の比率が実物と違いますが、概ね満足しています。

1/43のメタル・レジンキットを中心に、模型製作のテクニックをわかりやすく紹介しています。
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