昨年11月にカウルの塗装を直したタメオのマクラーレンM23ですが、再び修理して欲しいと連絡がありました。
懇意にしていたコレクターのTさんが今年の初めに逝去され、ご遺族がコレクションの全てを売りに出し、その後お店のほうで破損してしまったとのことです。
手元に届いたのでチェックしてみると、破損箇所はカウルのみで、モノコックとエンジンの結合部に多少のガタつきがあります。解せないのは「なぜネジが抜けて台座から外れたのか?「なぜバイザーがカウルから剥がれているのか?」
あれこれ考えても仕方がないので、とっとと修理に取り掛かりましょう。当時、バイザーの接着にはエポキシを使っていたので、ダメもとで爪楊枝とピンセットで剥がしてみたら綺麗に落ちました。
カウルのほうは変形が強かったので、いったん塗装を剥がして塗り直すことにしましょう。アセトン→IPA漬けでも除去できなかったウレタンサフの塗膜は、320番のサンドペーパーで丁寧にそぎ落としました。
IMONの密着バインダーを吹いて30分ほど乾かし、TIPOのサーフェイサーを研ぎを挟んで2回吹き、発色をよくするためにGGXのホワイトで下地を作り、フィニッシャーズのピュアオレンジ+シルクレッド少々で仕上げました。
念のためオレンジの色味が揃っているかどうかをチェック。ここで右側のサイドスカートの樹脂部分が無いことに気づいたので、薄いプラスチックシートを切り出して付け直しています。
デカールは当時のキットに予備として入っていたもので、10数年たっても普通に貼れるのがすごいですね! マークソフターと蒸し綿棒のコンビでしっかり密着させた後、クリアー(GX100)を4回重ね吹きしました。
3-4日乾燥させた後にトレカットの1200番と1500番で研ぎ出し。これまでトレカットはプラ板に貼り付けて使っていましたが、台紙から剥がしてそのまま手持ちで研ぐほうが作業しやすいかもしれません。
コンパウンド磨きはShowUpのポリッシュとフィニッシュで仕上げ。バイザーの再接着は、セメダインのハイグレードを水溶きで流し込んで完成です。
車体に合わせてみると、経年変化でバイザーの色味が抜けてしまっているので、少しだけ濃くなるようにパーツの裏からクリアーイエローを薄吹きしました。
綺麗に直って、めでたし愛でたし。
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