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P4/5製作記33-完成の不思議と接着剤の使い分け

カーモデルの製作というのは、ハタから見ると同じような作業の繰り返しで「なかなか完成しないよね」と油断しているうち、ゴール目前で加速度的にスピードが上がって「あれ、もう完成しちゃったの?」と、ある種の呆気なさを感じることがあります。
このP4/5もウインドウを付けて外観が整ってからの作業は格段に捗り、我が事ながら大変驚いている次第です。ハイ。
エンジンルームを閉じる前に、オイルタンクとダンパーの配管を2種類の太さのハンダ線で追加しました。太いほうは表面に鉄ヤスリでスタンプしてメッシュホースっぽく仕立てています。
ノーズのインテーク中央には小さな板状のスプリッターがあるので、固定用のネジを閉め切らないうち、黒いワンパンチ(瞬間接着剤)で取り付けました。
ホイール取り付けの際、ありがちなのがタイヤハウスの奥から光が漏れている現象。「ここは意外と無頓着な人が多いから、カミムラ君は気をつけてね」と、野村勲氏から頂いたアドバイスをいつも思い出します。
野村さんはあらかじめ仮組みの時点で真鍮板を入れ、隙間を塞いでいました。でも僕にはマネできないので、黒いつや消しデカールや黒のメタルックを帯状に切ったものでシールするようにしています。
ホイールの塗装は以前に塗ったものが若干暗すぎたので、ワントーン明るい塗料で塗り直しました。接着は1輪ずつ、プラ板やプラ棒をシャシーの下に挟んで車高を確保した状態で、黒のワンパンチで固めていきます。
タイヤの浮きを調整したい場合、サスアームはもうイジれないので、ブレーキディスクの取り付け用ダボを削って上下させ、最適な位置で接着剤が固まるのを待ちます。
いざリアカウルを取り付けようとしたらピッタリ閉まらない! パーツの多いモデルではありがちなことで、焦らず原因を見極めることが大切です。今回は下側のエキパイ出口が干渉していたようで、カウルの開口部を削って広げることで解決しました。
最後に残った小物パーツを一つずつ接着していきます。ナンバープレートとエキゾーストの先端パーツは、セメダインのハイグレード模型用を使用しました。経年変化の黄ばみがなく、接着力も意外と強力なところがお気に入りです。
ナンバープレートの上の『Ferrari』のエッチングネームも、水で薄めて流動性を増したセメダインを使っています。エッチングをマスキングテープで仮止めした状態で、隙間のところどころに筆で染み込ませるように塗布しました。
作業時間に余裕が欲しいパーツに関しては、エポキシ接着剤がベストの選択でしょう。このサイドミラーのように小さいパーツは瞬間接着剤のほうが強度的に安心ですが、万が一ミスして周囲にはみ出した場合のリカバリーは不可能に近いです。
今回も「これで完成だぁ!」と意識した途端に指先のふるえが止まらず、ダボ穴の周囲を盛大に汚してしまいました。でも、エポキシ接着剤ならそのまま20分ほど待ち、半硬化状態で不要部分をきれいに剥がせるので問題なし。メデタシメデタシ。

1/43のメタル・レジンキットを中心に、模型製作のテクニックをわかりやすく紹介しています。
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