完成品ミニカーの黄変したヘッドライトカバーの交換作業を承りました。お預かりしたのはル・フェニックスのファクトリービルトの250GTOほか4台です。
今回は交換用のパーツも同時に用意して頂いたので助かりました。1台目のダークブルーのGTOは、ライトカバーを取り外して新しいものをフィッティング。
ライト本体はレンズ部分の透明樹脂をアセトンに浸して取り除き、新たにUVレジンを盛り直しました。細かい気泡が混じらないようにするのが難しかったですが、扱いに慣れてしまえば便利この上ないマテリアルですね。
こちらのNARTスパイダーは透明カバーの周囲にエッチングのリムが被さるタイプで、リムは元々付いていたものをクリーニングして再利用しました。透明カバーのほうは新しいものを大まかに削り合わせた後、油性マジックでリムの太さ分だけ目印を描きます。
いったん取り外してマジックの線の太さ分だけ削り込み、リムの内側にピッタリはめ込んで微量の瞬間接着剤で固定しました。ボディへの取り付けはセメダインのハイグレード模型用で、水道水で1:1ぐらいに薄めたものを筆で隙間に流し込んで固めています。
3台目の白いGTOはライトカバーとレンズの接着が強力すぎて、取り外すのにパーツをバキバキと破壊する必要があって心が傷みました。ボンネット後方のエアスクープもひどく黄ばんでいたので、新しいものに交換しています。
4台目の赤いGTOのリムは比較的かんたんに外れたので、形を整えて再利用。通常より細いタイプだったのでフィッティングには苦労しました。中のヘッドライトはちょっとやそっとでは外れず、さほど黄ばんでもいなかったので交換は見送りました。仕上げにコンパウンドで汚れや小傷を落とし、コーティング剤を塗って修理完了です。
